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 和央ようかサン

初めて和央サンを見た時、「なんて綺麗な人なんだ」と思った。
綺麗って、顔じゃない。
ぶっちゃけ舞台化粧は下手だった。
でも綺麗だった。
そんなに派手にキザるわけでもなく、ギラギラにキメるわけでもなく。
飾らない顔。
飾らない歌声。
飾らない魅せ方。
きれいなんだけど、なにかが足りない。
格好良いんだけど、どこか足りない。
「飾らない美しさ」
それが和央サンの魅力だと思ってた。

「Crossroad」のアルフォンソ。
ジプシーの役。髪もぼさぼさで、化粧も上手くない。
寡黙で口数が少なく、あくまで陰。
でも無防備で純粋で素直な人。
決して格好良いヒーローキャラではない。
でも私は今まで見てきた和央サンの中で、最高に美しい役だと今でも思ってる。
この役は和央さんのハマリ役だと思ってるし、和央さんの役で一番好きな役。
ジプシーの時の和央サンは「美」の集大成であり、和央サンの格好良さが最大限に活かされる瞬間だと思ってる。
だから私は勝手に、和央サンのことを“ジプシープリンス”呼んでいた。

そしてトップになった。
あの和央サンがトップだって。大丈夫かな?滑らないかな?
そんなこと考えながら見てた。
・・・和央さんは変わってしまった。
飾りすぎてしまった。
あの頃の飾らない、自然体の和央さんじゃなくなってた。
どこか足りない、危なっかしい和央さんじゃなくなってた。
寂しかった・・・。
顔も芝居も変わってて。
そして何より変わってしまったのは、大好きだった歌声だ。
純粋で真っ直ぐで、真っ白で大きな歌声だったのに。
そのことが一番寂しかった。

次第にハンパじゃない数のファンができた。
トップになったら当たり前のことなんだけど。
なんだか、遠くに行ってしまったような気がして。
もう、私なんかが応援しなくても和央さんは大丈夫だなって。
そう思ってしまい、自然と離れていってしまった。

でも。
ある日、楽屋入りを見た。
沢山のファンがぞろぞろ付いていき、大勢のギャラリーがカメラを構える中。
和央さんは無邪気に笑顔を振りまいていた。
その姿を見た瞬間、信じられなかった。

今まで色んな人を見てきた。
ファンが増えるとそれに反比例して、愛想が悪くなっていく人が多かった。
そりゃそうだよな。仕方ないよな。
和央サンもそうなるんじゃないかと勝手に思っていた。

でも、和央さんはあの頃と変わらぬままだった。
変わらずニコニコして、笑顔を振りまいていた。
毎日楽しいことばかりじゃないだろうに。
辛いこともいっぱいあるだろうに。
そんなに笑ってなくていいんだよ。
でもきっと本人に言っても、これは変わらないんだろうな。
それが和央サンだから。

・・・私は馬鹿だった。
何も分かってなかった。
私は「和央ようか」という人間に惚れ込んでたってことを。
舞台姿は大きく変わってしまったけど、和央サンは和央サンで変わらないんだって。
痛いほどに苦しかったけど、泣きそうなぐらいに嬉しかった。

今の姿が和央さんの求めた男役像ならば、私はもう何も言わない。
和央さんがそれで満足ならば、私がとやかく言う必要は無いんだなって。
ならば和央さんを静かに見守っていこうって。
そう思い、遠目から応援してきた。

変わってしまっても、変わらぬものも持っている。
全てが変わってしまったわけじゃない。
あの頃と変わらぬ笑顔を持っていて、
あの頃と変わらずに夢を与えてくれて。
昔も今も、楽しく、面白く、最高に美しい夢を与えてくれた。
安らぎを与えてくれた。
沢山の幸せを貰った。
本当に、本当にありがとう。
あなたと出会えてよかった。楽しかった。

和央サンは生きている、私たちの中で。
だからサヨナラは言わない。
ネバーセイ・グッバイ。