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 湖月わたるサン

おっきいけど、どこか頼りなくて。
ナヨナヨしてて可愛くて。
大きいから良くも悪くも目立ってて。
特別にコレダ!っていうモノが無い人だと思ってた。
かわいいかわいいワタル君。

しかしそんなワタル君に、がっつんと堕ちる時がきた。
初めて生で観るエリザベート。それは宙組さんのでした。
冒頭に登場するワタルキーニにガッツリと堕ちた。

しかし何に堕ちたのかは、正直全く分からなかった。
ぶっちゃけ、ワタルキーニの歌は下手だった。
芝居も上手かったのかよく分からん。
実力派でもなく、言うほどビジュアルタイプでもなかった。
(まぁ、当時は最高に格好良いと思ってましたが)

でもワタルさんには、何かがあったのだ。
人を惹きつける何かが。
当時は気づかなかったし、見えなかった。

しかし三番手〜専科時代を観てくるうちに、だんだん見えてきたのだ。
ワタルさんが持っているモノを。
人を惹きつける何かを。

ワタルさんは“舞台人”だった。
熱く厚く
優しく温かく
深く力強く
いつでも真っ直ぐ、いつでも直球勝負
見る人を笑顔にし幸せにし。
誰にも真似することのできない、大きなものモノを持っていた。

目には見えない。
でも、感じることができた。
舞台からあふれ出る、ワタルさんの魅力を身体中で受け止めることができた。

その瞬間。
私は“わたる君”を“ワタルさん”と呼ぶようになった。
可愛い可愛い男役さんが、大きくて真っ直ぐな男役さんになったのだ。
それは“ファンモード”から“リスペクト”に変わった瞬間だった。

ワタルさんが人を惹きつけるモノ。
客席にいるときに感じることができる、目に見えないモノ。
ワタルさんが発する、太陽のような情熱と輝きだ。

太陽はいつだって人に光りを与えてくれる。
人々を明るく照らし、日々の生活にシアワセを与えてくれる。
上手く言えないけど、人が太陽を愛する気持ちと一緒なのかもしれない。

どんなに辛い時だって、どんだけ苦しい時だって
太陽はいつだって光を放っている。
そしてワタルさんも同じように、いつも光を放っている。
舞台も仲間もファンも、全ての人に分け隔て無く光りを放っている。

だからこそ。
そこにいることが当たり前だと思っていた。
いつだって空を見上げれば太陽があるように、
宝塚に行けばワタルさんに会えると思っていた。
いつだってワタルさんは笑顔で迎えてくれた。
だからいなくなるなんて、考えたことなかった。

でもね。
記者会見を見たら、涙の中から笑顔が出てきた。
いつでも真っ直ぐに歩んできたあなた。
この真っ直ぐさが大好きで、リスペクトしてたんだっけ。
そんなわたるサンを見てたら、元気が出て。
その真っ直ぐで真摯な姿に心打たれた。

またいつか、会えるかな。
太陽は沈んでも、いつか必ずまた昇ってくる。
だからいつかきっとまたどこかで会えるような、そんな気がする。
燦々と輝く太陽のようなあなたに、またいつかどこかで必ず。

そのときには私もワタルさんのように、
ワタルさんに負けないように、
自分の道を真っ直ぐ歩んでいたい。

またお会いできる日まで。
あなたの姿は、あなたとの思い出は、
ずっとずっと心の中で輝き続ける。
果てない空で動かぬあの星のように・・・